中小企業主、経営者、個人事業主の特別加入制度
国が運営する労災保険は、本来、労働者の業務または通勤による災害に対して保険給付を行う制度です。
労働者以外でも、その業務の実情、災害の発生状況などから見て、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の方には特別に任意加入が認められています。これが特別加入制度です。
ただし、特別加入できるのは、中小企業の事業主等、一人親方等に限られます。
中小事業主等の特別加入制度とは? |
「中小事業主」「法人の役員」「家族従事者」等は通常労災保険の対象者とはなりません。
しかし、その業務の実態等により労働者に準じてその業務災害に関して保護を与えるにふさわしい人びとがいます。
そこで、労災保険本来のたてまえをそこなわない範囲で、労災保険の利用を認めようとする制度が特別加入制度です。
この制度を利用するには、当事業団に事務処理を委託することが必要です。
(特別加入制度には、この他に、海外派遣者・一人親方等、特定作業従事者を対象としたものがあります。)
中小事業主等の特別加入者の範囲の4要件とは? |
中小事業主等の特別加入者の範囲の4要件は次のとおりです。
①要件 | 労働者を年間通じて一人以上使用する場合はもちろん、労働者を使用し、その日の合計が年間100日以上となることが見込まれる場合も含まれます。 |
②要件 | 数次の請負による建設事業の下請け事業を行う事業主も中小事業主等の特別加入の「事業主」として取扱われます。この場合、自ら行う小工事について、あらかじめ「有期事業の一括扱い」の保険関係を成立させておく必要があります。 |
③要件 | 労働者以外の者で、その中小事業主が行う事業に従事している家族従事者なども特別加入することができます。 |
④要件 | 法人の役員のうち、労働に従事しその対価として賃金を得ている者は労働者となりますが、業務執行権のある役員(労働者に該当しない者)は、この中小事業主に従事する者として特別加入することができます。 |
1年間の保険料額は? |
1年間の保険料額は、給付基礎日額、保険料算定基礎額、それぞれの事業で定められた保険料率を乗じて決定します。
給付基礎日額とは?
給付基礎日額とは、労災保険の給付額を算定する基礎となるもので、申請に基づいて、労働局長が決定します。
保険料算定基礎額とは?
保険料算定基礎額は、上記の給付基礎日額×365日で算出した額です。
年間保険料とは?
保険料算定基礎額に、それぞれの事業で定められた保険料率を乗じた額です。
給与基礎日額 | 保険料算定基礎額 (給付基礎日額×365日) | 年間保険料 (保険料算定基礎額×保険料率) (例)建設事業(既設建築物設備工事業)の場合 |
25,000円 | (算出方法:25,000円×365日)9,125,000円 | (算出方法:9,125,000×1000分の15)136,875円 |
24,000円 | 8,760,000円 | 131,400円 |
22,000円 | 8,030,000円 | 120,450円 |
20,000円 | 7,300,000円 | 109,500円 |
18,000円 | 6,570,000円 | 98,550円 |
16,000円 | 5,840,000円 | 87,600円 |
14,000円 | 5,110,000円 | 76,650円 |
12,000円 | 4,380,000円 | 65,700円 |
10,000円 | 3,650,000円 | 54,750円 |
9,000円 | 3,285,000円 | 49,275円 |
8,000円 | 2,920,000円 | 43,800円 |
7,000円 | 2,555,000円 | 38,325円 |
6,000円 | 2,190,000円 | 32,850円 |
5,000円 | 1,825,000円 | 27,375円 |
4,000円 | 1,460,000円 | 21,900円 |
3,000円 | 1,277,500円 | 19,155円 |